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今年最後の55周年記念特別モデル発表

これら以外にもニュースなどを含めて振り返ってみると、復刻版モデルは多く、今年は特にダイバーズモデルの復刻版、あるいはその現代解釈版の発表が多かったように思う。

これら復刻版の中で特に私が一番感心したのは、2017年のSBDX019(ニュースはこちらのページの下の方にある)である。1965年の国産初ダイバーの比較的忠実な復刻版である(52周年という中途半端な年になぜあんなにオリジナルに忠実な素晴らしいものを?)。中古市場では発売時定価の2倍近くの値が付いている。オーデマピゲ 時計修理WMOは決して、時計を投資として見ることを意図しているサイトではないが、これはセイコーとしても非常にいい意味でのサプライズだったろうし、我々にとっては改めてセイコーの時計の本来の価値を再認識する機会となった。あっという間に売り切れて買い損ねた人も多数いたのではないだろうか。やはり、オリジナルに近ければ近いほど人々は飛びつく、ということが復刻版への答なのだろう。

今回発表の新モデルの中には、そんな人たちが興味を持ちそうな、「おっ」と言わせるようなものもあり、非常に充実している。SBDX019を発表した2017年に比べれば、セイコーを取り巻く世界も変わり、値段も変わってしまったが・・・。

では、まずは、プレスリリースというか、今般用意された特別ページを見て、セイコーのダイバーズの歴史や新モデルの特徴を追っていこう。



セイコーオリジナルのピラミッド状のパターンがユニークな強化シリコン製ストラップを採用。偉大な冒険者達の不屈のスピリットを感じることのできる魅力的な意匠の一つです。
一方で、ケースには世界最高レベルの耐食性能と美しさを兼ね備えた「エバーブリリアントスチール」を、搭載するムーブメントには、雫石高級時計工房において製造されているメカニカルキャリバー「8L35」を採用するなど、現代の高級機にふさわしい美観と耐久性を与えています。
荒々しい氷山の浮かぶ南極海の情景を精緻なヘアライン仕上げのケースと深いマリンブルーのダイヤルで表現しています。



名作映画『男はつらいよ』シリーズから着想を得たビームスジャパン限定モデルも登場。
セイコーダイバーズウオッチと『男はつらいよ』の主人公・寅さんの間には縁があり、第一作をはじめとした初期の作品において、寅さんが「1965 メカニカルダイバーズ」を着用していたことから、映画公開から半世紀を経て、ビームス ジャパンとのコラボレーションにより、再び共演を果たしました。

ピアジェのアルティプラノ アルティメート コンセプト ウォッチが "AIGUILLE D’OR (金の針賞)" を受賞

ピアジェのアルティプラノ アルティメート コンセプト ウォッチが "AIGUILLE D’OR (金の針賞)" を受賞


ピアジェは、第20回Grand Prix d’Horlogerie de Genève(GPHG - ジュネーブ ウォッチ グランプリ)にて権威ある"Aiguille d’Or (金の針賞)” を受賞しました。これは全カテゴリーを総合した最高のウォッチ(優勝者)を称える賞です。


最も薄い機械式時計のひとつ、アルティプラノ アルティメート コンセプトは、ピアジェの研究・イノベーション部門により自社で開発・製造されました。6年間にわたり各チームがプロジェクトに従事し、これまでの技術を集約し、ブルガリ 時計 新作まったく新しいウォッチメイキングを生み出しました。



アルティプラノ アルティメート コンセプトは、ケースとサファイアクリスタルを含めた厚さわずか2mmのウォッチです。
「このウォッチの制作のきっかけとなったのは、厚さ2mmのキャリバー 9Pが60周年を迎えた時に、2mmのウォッチを作ろうと思いついたこと。クレイジーながらも素晴らしいアイデアでした」 とピアジェのシャビー・ノウリCEOは述べています。

ムーブメントと一体化したケース、入れ子式のリューズ 、薄型サファイアクリスタル、そして最も重要な香箱や調速機構の構造など、幾多のイノベーションが搭載されたウォッチ、それがアルティプラノ アルティメート コンセプトです。

アルティプラノ アルティメート コンセプトのもとになっているのは、層構造ではなく、サイズを調整した多数の部品を組み合わせ、ケースとムーブメントを一体化させるという斬新なアイデアです。その過程で、様々なパーツの小型化を追求した結果、ピアジェは5つもの特許申請に至りました。こうしてホイールの厚さが0.12mm、サファイアクリスタルが0.2mmという、2mmという超薄型の手巻ウォッチが実現したのです。

アルティプラノ アルティメート コンセプトは、薄型ウォッチメイキングを追求してきたピアジェの伝統へのオマージュです。

GPHG授賞式にて、シャビー・ノウリは、このウォッチに命を吹き込んだ時計職人、エンジニア、技術者を称えました。またノウリは、「『常に必要以上に良いものをつくる』 というピアジェ家モットーの下でピアジェに不可能なことはありません」 と述べています。

本受賞はピアジェ、そして、ピアジェのサヴォアフェールと専門技術にとって大きな栄誉です。ピアジェの比類のない優れた技術は、1874年以来、ピアジェの職人たちによって世代を超えて守られ、継承されています。

DAIZOH MAKIHARA(牧原大造・AHCI準会員)が、新作『花鳥風月』を発表!

花鳥風月』とは、日本人の感性に脈々と流れる美意識の中の、特に"自然の風景"を表す際に用いられる四文字で、人々がこれに感じ入るとき、そこには"風流"という感覚が生じる。

文字盤は、前作でも好評だった日本伝統工芸の江戸切子製で、おしどりのメジロと桜が描かれているが、切子から透けて見られる時計機構の全体で"花鳥風月”を表現する大作である。

資料によれば、10時位置の花が24時間で、2時位置の花が12時間で、それぞれの花弁が瞬間的に閉じるというオートマタ機構を採用。



まだ実機を拝見していないので、迂闊なことは言えないが、前例のない域にまで達した明治期の日本工芸作家たち、七宝焼の”ふたりナミカワ”並河靖之・濤川惣助、金工の正阿弥勝義・加納夏雄・海野勝眠、漆工・蒔絵の柴田是真・白山松哉・赤塚自得、自在置物の高瀬好山、真葛焼の宮川香山などが心血を注いだ超絶な宇宙に、どこか通づる物を感じる。

カルティエ公式ウェブサイトに、「STYLE BOOK」が登場

こうしたブログを書き始めてから、たくさんの時計愛好家の方にお会いする機会をいただいてきた。

みなさんが時計のどこに惹かれているか、セイコーホールディングスお話を伺っていくと、それはまったく各人各様ではあるのだけれど、とても乱暴なまとめで恐縮だが、それらはザックリと、以下のような3つに大別できる印象を受けている。

❶.機械そのものの仕組みや工夫に惹かれている。

❷.時計にまつわる様々なストーリー(歴史、作り手、デザイン、作業工程、価値など)に惹かれている。
  それによって、一部の方は時計に工芸品や芸術品的な価値観を感じている。

❸.ファッション・アイテム、コーディネート・アイテムとして、自らのライフスタイルを表現する魅力に惹かれる。
  

単に投資や資産価値目的だけで買っている方を"愛好家"とは呼び難いが、それでも多かれ少なかれ、上記❶~❸の情報に触れなければ投資もできないし、最近の時計市場で目立つ、SNS投稿することで、インフルエンサーとして評価されることに満足感を得ているユーザーの場合は、3と2の比率が高いと感じる。

つまり、この1~3の要素の組み合わせの比率で、その方のマニアックなスタイルは決まってくるような気がする。
ちなみに自分の場合は、「❶=35%、❷=55%、❸=10%」ぐらいの比率で成り立っているのではないかと思っている。


ユーザーのニーズが多様化してきているということを述べてきたが、逆の視点から、こうしたユーザーの多様性にすべて応えられるようなメゾン、つまり、1)自社で開発を行う力量があり、2)ブランドのヒストリーやコレクションにストーリー性があり、確かな技量を持つ職人が所属し、かつ、3)ファッション・ブランドとして確立したいる。

❶と❷を満たすブランドはいくつかある。❸についても宝飾部門だけであれば超一流はいくつかある。しかし、ファッション全般となると、これはとても狭き門となる。

思いつくところはまず、カルティエだ。

この度カルティエが、自らの定番コレクション、「サントス ドゥ カルティエ」、「タンク」、「パンテール ドゥ カルティエ」などのラインから、そのコーディネートを提案するページを開設した。

❶、❷、❸そのすべてをスタイリッシュに網羅している稀有のブランドが、満を持して❸の切り口からの発信を開始したわけだ。❸の要素が不足している自分としても、ちょっと注目してみたい。

以下、プレスリリースをご覧ください。


カルティエ公式ウェブサイトに、「STYLE BOOK」が登場



時を超えて永遠の人気を誇る象徴的なコレクション「トリニティ」、「LOVE」、「ジュスト アン クル」、
「クラッシュ ドゥ カルティエ」、「サントス ドゥ カルティエ」、「タンク」、「パンテール ドゥ カルティエ」、「バロン ドゥ カルティエ」。これらコレクションをメインに、カルティエピースの新たな魅力をご覧いただく「STYLE BOOK」。



日本のモデルを起用し、LUXE、COOL、CASUAL、ELEGANTの4スタイルで構成しています。

”私が私らしくいられること。自信や強さを持てること。宝物として慈しむことができること。”―この先の人生を共に歩むマスターピースの数々を自由なマインドで組み合わせ、あなただけの愉しみ方を「STYLE BOOK」を通して提案いたします。



時代を越えてなお魅力を放ち続けるカルティエ ジュエリー&ウォッチのスタイリングをお楽しみください。